2013-02-14

space beam へのインタビュー


日本人の私がインチョンを紐解くと、インチョンの中心地に保存された日本風の堅牢な歴史的建造物を含め、すぐに日本の統治時代のインチョンに出会うことになる。どの視座を持って、この土地に対峙するべきだろうか。いま・ここ性を重視する現代アートの考えに、過去の歴史や未来という時間軸を重ねて考えることが重要だということをさまざまな対話のなかで実感した。
東インチョンのペダリ地区にあるSpace Beamは、柔軟な姿勢と一貫した考えを持ち、空間軸と時間軸を意識しながら作られている希有なコミュニティーアートスペースである。なぜこの場所に、今、いるのかということが明確にわかる。それは、地域性、公共性、自律性を基本にした考えからも明確である。産業道路やニュータウン計画への反対活動がアートプロジェクトと結びつき、2007年に行われたプロジェクト、都市遊牧2-Discoveryの話には特に感銘を受けた。
Min - woongi 氏へのインタビューのなかでは、「地域の状況や問題など、地域の文脈に則ってこの場所を運営していこうという考えです。地域に根ざした空間で、水平に広がる芸術を呈したかった。」「自分の利益や産業の発達による利益や権力などのすぐに通り過ぎてしまうものに反対しながら、生活とはなにかを見つめたいと考えています。」と言う力強い言葉にも感銘を受けた。

SPACE BEAM
* SPACE BEAM community ディレクター ミン・ウンギ氏へのインタビュー (2013年2月7日、SPACE BEAM communityにて)
聞き手/構成:水田紗弥子

2013年1月-2月に韓国のインチョンにあるインチョン・アート・プラットフォームというレジデンスにリサーチのため滞在しました。韓国にあるさまざまなオルタナティブ・スペースの中でも独自の活動を続けるSPACE BEAM community (以下、SPACE BEAM)のディレクターに話をうかがったので、ほんの導入部分ではありますがここに掲載させてもらいます。

日本人の私がインチョンを紐解くと、インチョンの中心地に保存された日本風の堅牢な歴史的建造物を含め、すぐに日本の統治時代のインチョンに出会うことになる。どの視座を持って、この土地に対峙するべきだろうか。いま・ここ性を重視する現代アートの考えに、過去の歴史や未来という時間軸を重ねて考えることが重要だということをさまざまな対話のなかで実感した。
東インチョンのペダリ地区にあるSPACE BEAMは、柔軟な姿勢と一貫した考えを持ち、空間軸と時間軸を意識しながら作られている希有なコミュニティーアートスペースである。なぜこの場所に、今、SPACE BEAMが存在しているのかということが、地域性、公共性、自律性を基本にした考えからも明確である。産業道路やニュータウン計画への反対活動がアートプロジェクトと結びつき、2007年に行われたプロジェクト、都市遊牧2-Discoveryの話はその発想とユーモアと反骨精神に共感を覚えた。ミン・ウンギ氏へのインタビューのなかでは、「地域の状況や問題など、地域の文脈に則ってこの場所を運営していこうという考えです。地域に根ざした空間で、水平に広がる芸術を呈したかった。」「自分の利益や産業の発達による利益や権力などのすぐに通り過ぎてしまうものに反対しながら、生活とはなにかを見つめたいと考えています。」と言う力強い言葉にも感銘を受けた。


★SPACE BEAM communityの始まり
2002年1月19日に、インチョンの新都心のグウォルドンという場所で、SPACE BEAMをオープンしました。もともとは1995年に"地域美術研究会"として発足して、勉強会やニュースレター、展示企画などの活動を行ってきました。実践の場の必要性を感じ、仁川のグウォルドンに開館しました。 
同じビルには中央芸術団という大きな財団や、民間のギャラリーも入っていました。SPACE BEAMは市の施設や市の政策として始まったわけではありませんが、場所は新都心の中心部で始まったのです。その後、現在の東インチョンのペダリ(船橋)という地区に移りました。SPACE BEAMのビムというのは、空(から)、vacant とかemptyというような意味があります。空の場所で、実体と出会うということを意味しています。

★重要な3点 :地域性、公共性、自律性
SPACE BEAM を始めた当初から現在も続く一環した考えですが、地域性、公共性、自律性の3つに力をいれています。特に、私は公共性が大事だと思っています。

「地域性」
地域性というのは、地域の状況や問題など、地域の文脈に則ってこの場所を運営していこうという考えです。地域に根ざした空間で、水平に広がる芸術を呈したかったのです。
ギャラリーの勢いを見ても、美術は全般的に落ち込んでいるように感じています。そのような時にギャラリーの数をたくさんを作り、市民に美術を与えるという立場や役割ではなく、自分たちが量ではなく、アーティストとも、地域とも同じ立場で活動していきたいという姿勢で活動したいと考えました。

「公共性」
公共性については、内容的な面もありますが、経済的、産業的な事柄とは距離を出したいと思いました。公共性を主張すれば、経済的な性質は下がりますよね。産業や経済をもとに考えると、物を売ることと直接繋がっていて、それは形式的な考えです。それ自体を否定しているわけではありませんが、利益を覚えると他の新しいことを考えにくくなり、身動きが取り難くなります。もちろん、アーティストも食べないといけないことはわかっています。ですから、既成のシステムではなく、新しい活動をしながら経済的な収入を得られるようなシステムを考えています。

「自律性」
自律性というのは、自らつくるということです。誰かがシステムをつくってあげるのではなく、作家が自律する、スペースも自律するということです。芸術は自分たちの生活から距離を置いたものではなくて、自分たちの生活に寄り添ったものだと考えています。現実の時間や空間のなかで、芸術を作り上げて行くことの重要性を考えています。

★市民の活動と共に
「産業道路計画」
現在のペダリという地区に移る前に、産業道路の工事がペダリ地域で計画され、市民の声を全く聞かないで進行してしまいました。私たちの活動の核にしている考えに戻れば、すぐに行動するという選択肢しかありません。そして産業道路に反対するという立場でSPACE BEAMを移しました。その後、ニュータウン計画の構想がありました。冷麺通りや東インチョン駅、ペダリ地域を撤去してニュータウンを構想した計画です。どちらにも反対の立場をとり、2007年から現在も反対活動は続いており、さまざまなことがあったのですが、結果的にはニュータウン開発はとりやめることで合意しました。まだ工事は始まっていませんが、産業道路は地下を通ることになりました。
反対活動は、都市遊牧2−Discoveryというプロジェクトから始まりました。トラックにテントを積んでペダリ地域の都市空間を周って、許可をとらずゲリラ的に2−3日滞在し、行く場所ごとにさまざまなプロジェクトを展開しました。私たちが反対する理由として、一つの村を守るということももちろんあり、結果は成功しました。しかし一方で、自分たちの生活の価値を今一度見つめるという立場があります。自分の利益や産業の発達による利益や権力などのすぐに通り過ぎてしまうものに反対しながら、生活とはなにかを見つめたいと考えました。

参考URL:
http://www.spacebeam.net/

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